No.9(ポリスの民主政A) :
「ポリスの民主政は今日とどう異なるか?」
代表的なポリス、アテネの民主政は、民会に成年男子市民が全員参加した直接
民主政であり、女性や在留外人には参政権のない制限選挙制で、奴隷制の上に
立っていた。また特別なもの以外は、全ての官職が抽選で市民に開放されていた。
しかし民主政の落とし穴である衆愚政治に陥り、スパルタとのペロポネソス戦争に
敗れる。その後ギリシアではペルシアに操られてポリス同士の戦争が続き、市民は
土地を失う。それで傭兵の使用が流行したが、結局北方ギリシア人のマケドニア王
国にポリス連合軍は敗れてしまった。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
今日、ほとんどの国で採用されている民主政の長所・短所について学ぶことに大き
な意欲を持ちながら、その源流としてのアテネの民主政について理解しようとしてい
る。
思考・判断:
全盛期のアテネにおいて完成した古代民主政の特徴について、現代の民主政(国
家のみならず学校での自治活動を含めたもの)と比較する視点を持ちながら考察し
ている。
資料活用の技能・表現:
アテネの絶頂期の指導者ペリクレスの演説の抜粋を読むことによって、彼が理想と
した民主政がどのようなものであったかを具体的に把握できている。
知識・理解:
「光」としての古代民主政の完成と、「影」としての衆愚政治化という両面に着目しつ
つ、全盛期から衰退期の古代アテネについて、基本的な知識を身につけている。